今日は学部の仲間内6人で家飲みをする。

メンバーは田村・藤岡・原の男3人、京子・麻美・香奈の女3人だ。


同じ学部のはぐらかしている関係の中本のことがあってもなくても、京子は女友達の前では媚びへつらうことはしない。


春なのに鍋をするノリが学生らしいと思いながら、野菜を切る麻美の横で京子は食器を並べる。


女度アピールが高いのはやはり包丁を握る方なので、そこはあっさりと麻美に託す。

鍋の具を取り分ける作業も高ポイントだが、香奈に譲る。


京子は汚れた食器を片付けたり、新しくグラスを出したりして、

男子と「麻美たちはいい奥さんになるね」と話しながらしっかりとコミュニケーションをとればいいだけ。


何を武器にするかは、その場その場で決めればいい。


女友達を大事にしたい京子は、料理が美味しいとやたら褒める。そうすれば麻美が気分良くなるからだ。

鍋の中の具をとってとねだれば、香奈は香奈で家庭的アピールができるのでまんざらでもない様子だ。


こうやって女子の機嫌をしっかりとって、それでこそ腹黒女だと京子は微笑む。