「お客さん、市内入りましたよ。どうします?」

・・・どうやら、物思いにふけっているうちに市内に入ってしまったようだ。

料金メーターを見ると「3060」円 を指していた。所持金は5000円。
「そろそろ銀行でお金を引き出してこないとな。」
「お客さん?」

運転手が待ち兼ねたのか声をかけてきた。

「とりあえず津賀沼駅までお願いしますよ。」

「はい、わかりました」

・・・20分程たっただろうか、運転士がしきりに車内ミラーでこっちの様子を見てくるのを、目ではなく肌で感じ始めたころだった。

「着きましたよ。」
との運転士の一言に我に戻る。

「4960」円になります。

「はい」
といい、5000円札を無造作に置き、40円をもらい外に出る。

「さて、ATMは・・・」

と、捜しあるき、ようやく駅の改札口付近で発見し、もう俺しか使わないであろう口座から、15万円を引き落とす。

「さて、どうするか・・・」と、考え、、「証拠を見付け、俺は犯人ではないという事を証明しなくてはならない」と
、自宅に戻ったのであった・・・

当然、付けられていることなどわからずに・・・