「あッ!紗菜!!聞いたよ!!」

「何を?」


あたしの焦ったような口調にも親友の紗菜(サナ)は冷淡に答えた。


「剛くんに告ったんだって!?」

「うん、まあね。一応。」


紗菜は顔を赤くさせながら、小さく答えた。

剛(ゴウ)くんとは、紗菜の片思いの相手。
そんな剛くんに、紗菜が告白したという。


「何で!?」

「何が“何で!?”なのよ?」

「何でそうゆう大事なことをあたしに言ってくれなかったのぉ!?」

「何かね、その場の成り行きで告る雰囲気だったから…」

「あたしに言うにも言えなかった、ってことか。」


紗菜は頷いた。それで、お決まりの…


「返事は!??」

「あんね…」

「うんッッ!!」


するといきなり紗菜は泣き出した。

まさか…フラれたとかじゃない…よね??


「紗菜ッッ…どうしたのよォ!」

「……だって…」

「ぇ?なに??聞こえないよッッ?」