「だから、婚約者なんて、持っての他。自分で、運命の人と出会ってほしくて」


意外と、ロマンチックなんだな、社長。


運命の人とか……社長のキャラじゃない。


まぁ、今の社長を見れば納得だが。


「相手がどんなに貧乏でも、お金持ちでも。遥を幸せにしてくれれば、それだけでいいんだよ」


……これが、親というものなんだろうか。


今時、金持ちの中でこんな考え方する人、滅多にいないんじゃないか?


将来、俺もこんなカッコいい親になりたい。


なんて、思ったり。


「だからね、藤城くん。キミも、候補者になっていいからね!」


ならないと思ったけど、一応頷いておいた。


で、話が一段落ついた、って時に遥お嬢様のご登場。