なんだか疲れた…



誰もいない部屋で 私は眠りについた








バタン



誰かが部屋に入って来た


目を開けると



そこにはシュウの姿があった




“シュウ?!アンタ、なんでここに?”


“傷は大丈夫か?”


“ああ。”


“大丈夫ならイイ。…じゃあな。”


“………………どこかに行くの?”


“桜木さんが用意してくれた所へな”


“そうか。じゃあな”


必死で強がった…

喉の奥が痛くて痛くて仕方なくて 胸が張り裂けそうなのを ギュッと堪える



“サヨナラ………………愛恵”


そう残して部屋から出ていくシュウ







!?




そうだ。私の名前は愛恵。―愛に恵まれる人―



“シュウ!!””



ベッドから飛び出し シュウの後を追う



“待って!”



傷む首を押さえながら 広い部屋を走る



シュウ



シュウだけが 私という存在を『モノ』としてでなく ちゃんと人として見てくれていた



“シュウ!”



叫びながら部屋中探すけど シュウの姿は見当たらない