だったら、かなり申し訳ないな。

でもちょっと嬉しいけどさ。



相馬先輩はニコッと笑い、首を振った。



「それもあるけど、九条はどうしているかなぁと思ってさ。部屋に行ったらいなかったからここで帰ってくるの待ってたんだ。」



私は胸がジワッと熱くなった。

嬉しすぎるっ。


忙しくしながらも、私を忘れないでいてくれたんだ。



「ありがとう、先輩。ちょっと散歩に行ってたんです。」



先輩は、ふぅん?と手を伸ばし、私の頬に触れた

急に触られ、私はビクッとなる。

な、何!?



「本当にただの散歩?」

「へっ?」

「泣いた後があるけど?」

「!!」



鋭い。

先輩は頬を優しく撫でる

答えるまで離さない様子だ。



「これは、大したことじゃ……」

「何かあったのか?」



先輩はじっと見つめてくる。

私はドキドキしながらもさっきあったことをかい摘まんで話した。

さすがに好きな人うんぬんのくだりは言えないけどさ。



「へぇ、初老のおじいさんがねぇ………」



先輩は考えるようにすっと目を細めたが、すぐに笑顔に戻った