寮に帰ると確かに掲示板には貼紙がしてあった。


私が貼ったやつじゃない


「なになに…『皐月寮、恒例の海での親睦会。参加希望者は三年、山下奈緒まで。』って、いつの間に…」



期間は七月の下旬かぁ。



「実家に帰るやつがほとんどだから毎年、参加者は数人だけどな。」

「へ~。海かぁ…。」



何年も行ってないや。

てか、夏に旅行なんてのも何年もなかった。



「あら、参加希望者?」



後ろから声をかけられ振り返るとトレーナーにジーンズ姿の女の人がいた
スラッとした身長にベリーショートがとてもよく似合っている。



「あぁ、奈緒か。」

「蒼斗もこれ参加するでしょう?」

「あぁ。場所はいつものとこだろ。」



二人は仲よさ気に話をしている。



「副寮長は?参加する?」

「あ、はいっ。参加します。」

「了~解。もう締め切っちゃおうかな。」



突然現れた女の人に戸惑っていると、



「彼女は三年の山下奈緒。見かけたことくらいはあるだろ?」



相馬先輩が紹介してくれた。



「はい。何度か…」

「よろしくね。副寮長の名前は九条椎菜さんよね。」

「はい。よろしくお願いします。」



私はペコッと頭を下げた