「来週にも蒼斗の実家に呼ばれると思う。」
「はい…。SOOMAの社長ってどんな人ですか?」
「さて?会ってからのお楽しみだよ。」
そうだね。
今から変にいろいろ情報を得ても、結局は会って話さなきゃいけないんだから、変な思い込みとか作らないようにしなきゃね。
「…俺も親父とは殆ど会話したことないんだ。」
相馬先輩は静かに話し出す。
「母親とは小さいころに離婚してるし、仕事中心の人だったから、親子の会話とか記憶にないんだよね。」
「そうなんですか…?」
「父親がいなくても、周りの大人が育ててくれたからね。」
「あぁ、俺の母親とかな」
猛先輩は苦笑した。
「そう。猛と猛の母親とで過ごす事が多かったなぁ。」
「この前お袋に電話したら蒼斗の事ばっか気にしてたぜ?」
「そっか。今度会いにいこうかな。」
相馬先輩と猛先輩は兄弟のように育ったってことかな。
相馬先輩の家の事なんて初めて聞く。



