「ひどぃぃ~・・・ヒドイヨ先生っ」

  夏休み。補習3週間目突入。

  あたしはコリコリとプリントを真面目に埋めながら言った。

  夏休みなんて1ヶ月なのに。

  そのうち半分以上は補習・・・

 「午前中だけだろ。

  それに恨むなら自分の頭の悪さを恨めば?」

  先生とは思えない性悪発言をする。

  笑顔で言ってるのが余計ムカツク。

 「あ、またココ違うよ。
  さっきも間違えてたよな、高倉」

  先生が赤ペンで印をつける。

  赤い✔がたくさんあるこのプリント・・・。

 「まだ解き終わってません!」

 「ここまできたら終わったよーなもんだから」

  とあきれたように首をコキッとならす。

 「・・・先生、イイニオイがした」

  さっき、首をならしたとき、ふわって香水のにおいがしたんだ。

  ・・・ソープ系の、イイ香りが。

 「女のニオイがするーー!!」

 「話脱線すんな!」

  先生が後ずさる。

  あたしは立ち上がってニヤッと笑った。


 「いーよ。黙っといてあげる。


  補習、ナシにしてくれたらね」