「50点以下だったヤツ、夏休み2週間補習にくること!」


 キーンコーンカーンコーン・・・。

 チャイムの音をBGMに、櫻井先生の声が響いた。

 28点だったあたしは、ダメージ大!

 みんなのブーイングをスルーして、先生は白衣をひるがえし

 教室を出ていく。

 ズガーンと頭に重い石がのっかってるあたしは、

 解答用紙を握ったまま固まっていた。


 だって・・・


 だってだってだって!!!!!

 夏休みは彼氏の泰輔と毎日遊ぼうと思ってたのに!

 なのにっ・・・

 これでも頑張ったのに、補習2週間だなんて!


 ひどいひどいひどいっっっ!!!!

 先生なら、生徒の青春の1ページを増やしてやろうとか

 思わないのっ!?


 ムキ~~~っ!!

 化学なんかキライッ、

 櫻井先生なんかキライッ!!!!!




 「・・・高倉。

  お前だけ、1週間プラスな。」


 
 へ?

 ゆっくり振り向くと、櫻井先生が不気味に笑っていた。