静かに、岳ちゃんが話し始めた…
「椎夏…兄貴がどこで働いていたか知ってるか??」
「えーと…ファーナルなんとかっていうコンピューター関係のとこだったはず…」
「ファーナル・カレッジ…秦野総合会社の傘下社だよ…」
「そうだったんだぁ〜。で、それがどう弥矢君に関係するの??」
「弥矢のじいさんが、当時社長だった時に…椎夏に1度会ってるんだよ…」
「うん…」
「椎夏を一目見た瞬間に…気に入ったらしい。"是非、孫の婚約者になって欲しい"と言われたらしい。兄貴は、"娘がお孫さんを好きになった時は、是非お願いしたい"と言った。」
「でも、どうしても椎夏を嫁として欲しかったらしい…兄貴たちを脅し始めた…それが今の社長…弥矢の父だ。」
言葉を失った…
「岳ちゃんは最初から…」
「椎夏の婚約者になる予定だったのは、弥矢の兄だよ…」
「えっ!?だから、弥矢に会わせた。弥矢に恋をして欲しかったんだ。兄貴は、弥矢のお兄さん、幸補君に会ったらしい。目の前に現れた幸補君をみた、兄貴がどうしても、この婚約をなしにしたかった。幸補君が、"おじさんの娘さんは大事にするけど、子供を産む道具にしかない…"と言ったらしい(苦笑)」
「………」