すると、赤い紙が目についた。私は近づき紙をはがし読んだ。紙にはこう書かれていた。
(４人を３人にすること。)
｢どういう意味?｣
｢簡単だ。俺があいつを殺したからドアが開いた。｣中年男性の一言で辺りは静まり返った。私はそんなに頭の回転は速くない。だけど、紙に書かれていることをクリアーするとドアが開く。つまり、この若い男性と同じ死が答えだ。
｢こっちのドアにも紙が。神の道は１つ。｣
私は真っ白な部屋を見渡した。すると、３つのドアを見つけた。上には一番、二番、三番と番号が書かれていた。
｢１つは天国、残りは地獄行き。｣
｢少し考えさせて。｣
｢時間制限はないからな。好きにしな。｣
中年男性はドア付近に腕を組み座り込んだ。生き残るには天国行きの道を選ぶしかない。死にたくない。あの若い男性のようになりたくない。考えるほど恐怖心が強くなっていた。
｢あなた、歳はいくつ?｣
60歳ぐらいの女性が私に話しかけて来た。
｢二十歳です。｣
｢まだ未来があるわね。私ね、孫が生まれるの。死にたくないわね。孫の顔を見るまで･･･。｣
人それぞれ生きたい理由はある。あそこで死んでる若い男性も。私も家族や友達に会いたいし学校に行ったり遊びたい。感情が不安定な私は涙を流し隠すように下を向いた。
｢泣いてる暇はないぞ。さっさと決めな。｣
｢うるさい!!あんたは死ぬの怖くないの?｣
｢怖くない。俺は１人殺してるからな。俺は一番のドアを選ぶ。｣
中年男性は立ち上がりドアの前に立った。それに続き60歳ぐらいの女性もドアの前に立った。残ったドアは中央の二番。私は二番のドアの前に立った。
｢いいか、同時に開けるぞ。せーの。｣
中年男性の掛け声でドアを同時に開けた。
｢なにこれ･･･?｣
私たちの目に飛び込んで来たのは透明の壁。正確には透明の壁で出来た通路だった。中に入り左右を確認すると中年男性と60歳ぐらいの女性が見えた。