今日は朝から雨だった。2日続く雨を見ていると落ち着く。晴れていると賑やかになりうるさく休めないからだ。家の前は飲み屋で帰りのサラリーマンやカップルの話し声が聞こえ迷惑していた・・・。
でも・・・今は晴れでも雨でも目の前に飲み屋があって騒いでいる人がいても関係ない話しだ。
どのくらい前だろうか。目を覚ましたら知らない部屋にいて何も飲まず食わずで床に死んだように横になっているのは・・・。
私だけじゃない。横を向くと中年男性と自分より若い男性。後ろには60歳ぐらいの女性。私を入れ4人。 それだけじゃない服はぼろぼろになり髪はぐしゃぐしゃ。そして、腕には謎の番号が。私の腕には222と書かれていた。
「誰か助けてくれ。」と中年男性が呟く。それを復唱するかのように若い男性も同じ言葉を言う。
それを聞いていた60歳ぐらいの女性は耳を手で塞ぎ首を横に降り続ける。私は壁を見つめるだけだった。
「あれ・・・?」
私は急に疑問を抱いた。
壁一面は真っ白なのに一つだけ壁に線のようなものが書いてあった。よく見るとドアのような形・・・。
(あれは出口?)
まだ確信しきれない私は言葉を口に出す前に心で確かめた。そして、私は立ち上がり力が入らない足を一生懸命、動かし近づいた。私に気付いた他の3人も興味深く見ていた。
「ドアかも・・・。」
私の言葉に残りの3人は強く反応した。
「本当にドアなのか?」
中年男性が近づき壁を調べ始めた。他の2人も遅れて壁に近づいて来た。私は一歩下がり見ていた。
「開かない。ドアじゃないのか?」
その瞬間、ガチャと何かが開く音がした。
「おい、押して見よ。」
中年男性が私に命令した。私は頷き壁を押した。壁はきしむ音を鳴らしながら少しずつ開き始めた。
「出口だ。」
60歳ぐらいの女性が奇声を張りながら私を強く突き飛ばした。
「お嬢さん、大丈夫か?あのばばあ急に元気になりあがって。とにかく、出口だ。急ごう。」
中年男性は私を立たせドアの先に進んだ。私も助かると思い、急いで後を追った。やっと、訳のわからない部屋からでれる。そう、確信していた・・・。
「あなた、何を笑ってるの?よく、周りを見て。」
女性の言葉の意味、私はすぐに状況がわかった。
「なんで・・・。」
ドアの先は変わらない真っ白な部屋だった。