「あーあ。せっかくの仕事だったのに、残念でしたね」

 類はから揚げをはし先に掴みながら言った。

「うむ。これでは類君のガソリン代くらいしか請求できないかもしれない」

 師匠が言うと、土岐がため息をついて、

「それもヤバそうですね。お金持ちって、案外けちだったりするから」

 類は口の中をから揚げで一杯にしながら、次のエモノであるお手製春巻きに手を伸ばした。