「早速ですが、これが我が家に送られてきた予告状です」

 言って、テーブルの上に赤い紙を置いた。

それからみんなによく見えるように、中央に置かれていた、ガラス製の灰皿を手の甲で押しやった。

 紙を先ず、師匠が手にした。

 類はまだ立ったまま座わりそびれていたので、師匠の後ろに回って、手元の紙を覗き込んだ。

『ルビヌスの星、いただきにあがります。怪盗キボウ』

 真っ赤な紙に、白インクで、ワープロを打ったような緻密な文字が書かれてあった。

 師匠はそれを見ると、長いすの隣に座わっていたトキに紙をまわした。

「ルビヌスの星、っていうのは、何のことなんですか?」

 類が訊くと、安西は明らかに動揺した。