類は疑わしさを露骨に顔に出して師匠を見た。

「言い忘れていましたが、私の祖父が質屋をやってるもんでしてね。幼い頃から宝石の鑑定を仕込まれたんですよ、私。まあ、あとは、勘といいますか。その宝石がテレビに大写しになろうとすると、ここの人、大変慌てましたからね。それで確信したしだいです」

 ふううん。

「ねえ、それさ、突き止めることで何かメリットとかあるわけ?」

「あります。自己満足っていうメリットです」

 ふううん。

 妖しい限りだな。

自分が盗んで回る気だったりして。

 と、ドアがノックされて制服姿の人が、さっきのメイドさんに案内されて入ってきた。

「こんにちは。わたくし警備会社からまいりました、土岐と申します。今日はよろしくお願いいたします」

 ここの人、探偵だけじゃなく、警備会社の人も頼んだのか。

 って、そうじゃない。

今の挨拶で、何かひっかかるものを感じた。

 類は、その警備会社の人をよく見た。