「そういえば、先日、これと同じデザインの車を見かけましてね。いやあ驚きました。左ハンドルなんですよ。外車タイプもあるんですか?それに派手な赤色をしていました」

「っていうか、外車です。コレは右ハンドルですけど。色も、コレは白ですけど、赤とかの方が主流かも」

「ほほう」

 師匠はうなった。

「ところで」

言いかけて、師匠が車に酔うのを思い出して、安全運転モードに切り替えた。

「ところで、どうやって警備なんてするんですか?」

「それは考えてます。ご心配には及びません」
 
ああ、そう。
 
類はコロンボ警部にこれ以上喋らせると苛々するのが分かっているので、黙って運転に専念することにした。