「ああ。類君の本職の仕事が終わったら、自宅まで迎えに来てくれないか」

「分かりました」
 
言って、類はコーヒーのお代わりをまた一気飲みした。

それから、ピラフを頬張る。
 
ちらりと時計を見たら、類の休憩時間の終了時が迫っていた。
 
残念ながら、じっくり味わっている暇はないようだ。
 
時間があっても、早食いに代わりはないのだが。
 
類はいっそうがつがつとピラフを詰め込んだ。

「あーあ、美貌が台無しだな。こういう類君を見てると、百年の恋も冷めるって感じだな」
 
うるさいなあ。
 
思ったけど、構わずにピラフをかきこんだ。
 
ツナの味が絶妙にピラフの味を引き立てている。
 
それを詰め込んだ舌の上で味わいながら、喉の奥に押し込んだ。
 
最後に、水を一気飲みする。

「ごちそう様でした」
 
手を合わせて言うと、さっと席を立って、逃げた。

ここは師匠のおごりってことで。

「あっ、こらっ!自給からきっちりひいとくからな!」
 
ちっ。

けち。
 
類は振り返って、師匠に向かい、べーっと舌を出した。