他にもあった図面を、師匠がどうやって手に入れたのか、考えるのもこわいわっ。
 
類は思いながら、ピラフを頬張って、もう一度図面を覗き込んだ。

図面の上に、住所が手書きで書き込まれてある。

「ふぁふぁ、ふぉふぇふぁふぁ」

「食ってから喋れ。何を言っているかわからん」
 
ごくんと、ろくに噛みもせず、類は口の中身を飲み込んだ。

「“ああ。それなら”って言ったんです。ちょうどその辺りに、影山探偵事務所のチラシをポスティングしといたんですよ。“浮気調査、家出捜査、迷子になった犬ちゃん猫ちゃんの捜索、貴重品の警備、その他雑用、いろいろ賜ります”ってやつ。貴重品の警備やその他の雑用は、普通しないんじゃない?」

「まあそうだが」

あまりはやっている事務所ではないので、何でも屋みたいなことでもしないと食ってけないんだろうか。
 
師匠はそのことについては触れなかったが、言われなくても、分かってしまう。

「とにかく、仕事ゲットですね」