類はさっき湯佐に感じたのと同じような寒気を感じた。

「あたし結構お金あるのよ。主人の稼ぎがいいから」
 
それがわかってるんだったら、浮気されようと何だろうと、離婚なんて考えなきゃいいのに。

「それにデザイナーとしての輝かしい未来があるわ。今よりもっとお金持ちになってやるんだから」
 
それはどうかと思うよ。
 
類は苦笑した。

「主人とはいずれ離婚するんだし、ナルセクンさえよかったら、付き合ってあげてもいいのよ」
 
急に、彼女の素行が疑わしくなった。
 
自分だって、この手で、結構遊んで来たのかも知れない。