このウインナー、近所の某スーパーで買った、絶品なんである。
　
熱々じゃないのが残念だなあ。
　
思っていると、湯佐がわざわざ隣に来て座った。

「なあ、仕事終わったら、食事にでも行かないか？」

もう少し味わっていたかったけど、このままじゃ喋れないので仕方なく、たこさんウインナーをごっくんした。

「行きません」

「おまえ、先輩に向かってその態度は何だ」
　
怒っている。
　
けれど構わずに、お弁当の残りを口の中に放り込んだ。

「聞いてるのか？」
　
類は首を横に振りながら、お弁当箱をしまいにかかった。
　
こんなヤツの相手をするくらいなら、残りの昼休みを返上した方がマシだ。
　
するとこんどは猫なで声で、

「なあ、成瀬君。うちの会社は社内恋愛禁止じゃないんだよ。彼氏と会社でずっと一緒にいられるっていうのは、嬉しいことだと思わないか？」