誰もが、天性の明るさの中に、怠惰な苦しみをしょって見える。

 この国を、類は変えたかった。

 昔のように。

 ドレスの裾を翻すと、類は体を真っ直ぐに伸ばして歩き出した。

 空港の外の空は日本では見られないような鮮やかなブルーだった。

 深く濃く、美しい青が、類を待っていた。