類は赤いドレス姿のまま、飛行機から降り立った。
 
赤は正装の色でもある。

 ちょうど良かった。

 その国独特の香り、と言うヤツがあるらしい。

ここは、柑橘系の果物の皮の香りがする。類はそれを懐かしく感じながら飛行機を降りた。
 
空港には、おじいちゃんことラーデンが、出迎えてくれていた。

「ただいま。おじいちゃん」