師匠はコスプレ☆メイ探偵

その間に、類は駐車場から走り出ていた。

「あたしの愛車、あたしの会社のミドリ先輩にあげてください。

依頼料は、あたしの今までの未払いのバイト代ってことで」

「なんだ、わしにくれるんじゃないのか!って、そうじゃなくて」

 類はチラリと振り返った。

「お前なら、本当にモゴーグに革命を起こすかもしれないな」

 呟きが、よく通る声のお陰で聞き取れた。

 師匠はモゴーグのことを深く知れば知るほど、かの国に傾倒してしまったらしい。

 かつてのような国にモゴーグが戻るのを、師匠は見てみたいと思ったのだろう。