師匠はコスプレ☆メイ探偵

「宝石を抱いて、モゴーグへ帰ります。

これを取り返す使命をまっとうできたんだから、今度はモゴーグに革命でも起こして、古き良きトリゴーグを取り戻そうかな。なんて」

「どこまでも、どこまで本気かわからないやつだな、類くんは」

 師匠は言った。

「しかし、私がこのまま類君を行かすと思うかね?」

「まさか」

「警察に突き出してやる」

「そうじゃなくて、まさか、あたしの邪魔はしないでしょう?

って意味の“まさか”です」

 言って、類はニッコリと微笑んだ。

「師匠!」
 
類は叫ぶと、二ュービートルの鍵を投げた。

 師匠は思わず反射的にそれを受け止めた。