師匠はコスプレ☆メイ探偵

「そうだ。類君は館長の孫娘だ。違うか?」
 
類は結い上げていた髪をほどいた。

色素の薄い髪が、はらはらとこぼれてかかり、白い肌にまとわりついた。

「類君の美貌も、色素の薄いその髪や瞳の色も、類君が日本人じゃないと推測するのに少しの無理もない」

「残念。あたしは日本人だよ。

ただし、おじいちゃんはトリゴーグ人だけどね。

おばあちゃんも両親も、日本人だよ」

その顔にまとわりついた不揃いの髪が、類の美貌を引き立てていた。

類は、顔にかかる髪をかきあげた。

「でもね師匠、あたしは館長の孫じゃない。