「とにかく、それで私は影山氏をマークしてたんです。

そおしたら案の定、盗みが始まりました。

影山氏は、モゴーグの習慣を熟知していました。

盗まれたものを、五十年以内に盗み返さなければならない。

その使命感に燃えたんでしょう」

「師匠もモゴーグ人なの?

もしかして、師匠こそ王族の末裔、とか」

「いえ、違います。

彼は生粋の日本人です」

「じゃあ、何で?」

「深くモゴーグのことを知りすぎたことによって、突き動かされたんでしょう」