わからなかった。 

「うん。でも、日本人離れした顔だなとは思ってた」

 あははと、トキは笑った。

「それを言うならあなたもです。クオーターって感じの顔してますよ」

 類は真顔になった。

「そうでしょう。実は、おじいちゃんがフランス人なんだ」

「えっ」

「おばあちゃんがインド人でお母さんがドイツ人で、お父さんがアメリカ人」
 
トキは軽く眉間にたてじわを寄せた。

「それ、ウソでしょ」

「もちろん」
 
類は平然と言った。

トキは頭を抱えた。