師匠はコスプレ☆メイ探偵

「確か、王族は日本に亡命している可能性が高いと」

「あたし、トキさんが盗み返しをしようとしているんだとばかり思ってた。

きっとトキさんは王族の末裔で、国宝を盗まれた不名誉をチャラにするために、師匠の集めた資料を手がかりに、盗みに手を染めて」

「王族は盗み返し、なんてする必要はありません。

国宝を盗まれたのは、館長の責任です。

そして、その、館長の孫が」

言葉を切ったので、つい、トキを見た。

真面目な顔。

「・・・私、なんです」

 類は一瞬黙ってトキを凝視した。

「一番怪しい人間だって告白したのと同じだけど?」

「わかってます」

「でも、盗み返しはしてないと?」