「確か、王族は日本に亡命している可能性が高いと」
「あたし、トキさんが盗み返しをしようとしているんだとばかり思ってた。
きっとトキさんは王族の末裔で、国宝を盗まれた不名誉をチャラにするために、師匠の集めた資料を手がかりに、盗みに手を染めて」
「王族は盗み返し、なんてする必要はありません。
国宝を盗まれたのは、館長の責任です。
そして、その、館長の孫が」
言葉を切ったので、つい、トキを見た。
真面目な顔。
「・・・私、なんです」
類は一瞬黙ってトキを凝視した。
「一番怪しい人間だって告白したのと同じだけど?」
「わかってます」
「でも、盗み返しはしてないと?」
「あたし、トキさんが盗み返しをしようとしているんだとばかり思ってた。
きっとトキさんは王族の末裔で、国宝を盗まれた不名誉をチャラにするために、師匠の集めた資料を手がかりに、盗みに手を染めて」
「王族は盗み返し、なんてする必要はありません。
国宝を盗まれたのは、館長の責任です。
そして、その、館長の孫が」
言葉を切ったので、つい、トキを見た。
真面目な顔。
「・・・私、なんです」
類は一瞬黙ってトキを凝視した。
「一番怪しい人間だって告白したのと同じだけど?」
「わかってます」
「でも、盗み返しはしてないと?」

