師匠はコスプレ☆メイ探偵

「そういう反応が普通です。

彼らだって、普通の時には思いつかなかったでしょう。

けれど、革命の真っ只中にいた彼らは、絶えず死と隣り合わせにいる精神状態の中で感覚が狂ってしまったのかもしれません。

運が良かったのか悪かったのか、彼らの宿泊しているホテルは、トリゴーグの国宝館のある博物館の隣にあったのです。

それで、彼らは、盗みに入った。

ところが、空っぽだと思っていた博物館に、館長がいたんです。

彼らは慌てました。

ですがとっさにウソをついたんです。

博物館で働いている他の者に、宝石を預かって避難させるように頼まれたと。

ほかの人間は怪我で動けなくて、自分たちがその大役をおおせつかったのだとでも言ったのかもしれません。

本人たちも、まさか上手くいくとは思わなかったでしょう。

でも、館長は騙されてしまった」