人波に押し流されて、類の視界からエメラルドは消えてしまった。
束の間の、出会い、だった。
気がつくと、きっちり師匠とはぐれていた。
「どうしよう。師匠とはぐれちゃったみたい」
言うと、トキは類の腕を掴んでホールの端に引っ張っていった。
「あれ?今日はピアス変えたの?」
トキが至近距離で言った。
類の耳で、綺麗にカットされた石が、今日は深い赤に輝いていた。
別に、変えてなんかない。
類はそのことに関して何のコメントもしなかったが、トキは、大して気にしている風でもないらしく、それ以上そのことに触れなかった。
それよりも、何か言いたいことがあるらしい。
類を見ると、少し興奮気味に、それでも声を抑えて
「分かったんですよ、犯人」
束の間の、出会い、だった。
気がつくと、きっちり師匠とはぐれていた。
「どうしよう。師匠とはぐれちゃったみたい」
言うと、トキは類の腕を掴んでホールの端に引っ張っていった。
「あれ?今日はピアス変えたの?」
トキが至近距離で言った。
類の耳で、綺麗にカットされた石が、今日は深い赤に輝いていた。
別に、変えてなんかない。
類はそのことに関して何のコメントもしなかったが、トキは、大して気にしている風でもないらしく、それ以上そのことに触れなかった。
それよりも、何か言いたいことがあるらしい。
類を見ると、少し興奮気味に、それでも声を抑えて
「分かったんですよ、犯人」

