「違うでしょう。どの犯行前にも、予告状があったわけじゃないですからね。予告状には、それなりの役割があるはずですよ」

そりゃ、今までの分はそうだろう。

類は思った。

予告状を出すことで、影山探偵事務所の一員として、堂々と安西邸に入り込める。

それに、中田邸でのことだって、師匠に詳しく聞いてから、犯行に及んだら、一緒に行かなかった自分は疑われずに盗みに入れるかもしれない。

「とにかく、見に行きましょう」