師匠からの呼び出しコールには、出たらいけないんだった。

寝ぼけてて、思わず出てしまった。

悔しく唇をかんでいると、プツリと通話を切られた。
 
あんのドけち。

そんなに生活苦しいなら、探偵を辞めてまっとうな職に就くか、あのマンション売りやがれ。
 
寝起きの悪い類は、凶悪モードの類になりながら思った。
 
それから、脱いで肩に羽織っていた白衣を取ると、ロッカーにしまって外靴に履きなおした。


「通話料引くんなら、思いっきり何か食べてやる」