眠りの中から、不快な振動で揺り起こされた。
 
類は机に突っ伏していた上体を起こして、よだれを枕代わりにしていたタオルでぬぐった。

 ついでに地図を描いているテーブルも拭いた。

会社の休憩室で、今は類の休憩中である。

 ああ、この感覚気持ち悪い。

もっと、なんとかならないもんかな。

思いながら、鬱陶しく震える携帯を手に取った。

通話ボタンを押すと、師匠の声がした。


「今から来てくれ。それと。通話代、バイト代から引いとくから」


 しまった。