師匠はコスプレ☆メイ探偵

思ったが、応接室がそんなわけはなかった。

毛足の長いじゅうたんの上に、ダイヤは無事に転がり落ちた。

類は机の真下辺りにあるダイヤを取るために、机の下に入り込んだ。

とりあえずシャツの袖を引っ張って手を覆うと、シャツ越しにそのダイヤを掴んでみる。

上で中田が豪快に笑っている。


「慌てなくても大丈夫だよ。ダイヤはこの世の中で一番硬い物質だ。傷付いたりしない」


 なんていうか、おおらかなおっさんだ。

 大事なダイヤを落とされて、怒りもしないなんて。