師匠はコスプレ☆メイ探偵

えらく簡単に言うなあ。

大事なものだろうのに。
 

類はどうやって触ろうかと、一瞬、躊躇した。

 その隙に、師匠が手を伸ばして、ダイヤを手に取ろうとした。


「わっ。駄目、師匠」


師匠の手から逃れさそうとして、ケースを遠ざけようとした。

でも、師匠の手の方が一瞬早く、無遠慮な素手がダイヤに触れた。

類が下手にケースを遠ざけたものだから、師匠は、ダイヤを掴み損ねて、手から落としてしまった。


「バカ!!」


類は大慌てで、ダイヤが転がって行く先を追いかけた。

師匠の膝に当たって、床に落ちる。


「きゃーっ」



床が大理石とかだったらどうしよう。