師匠はコスプレ☆メイ探偵

「それか、あれですよ」

 ただの、怠業。

 予告状を出すのが面倒だった。って。


「何だ?」

「何でもないです」

 ごちゃごちゃ言ってるうちに、中田が戻ってきた。


「これです」


 黒いビロード張りのケースが中田の手に持たれてやってきた。

 中田はソファにずっしりと身を沈めると、それを類に手渡した。

 こちらもずっしりとした重さがある。

 蓋を開いてみると、こぼれんばかりの輝きをたたえた、ダイヤが鎮座していた。

 一つ一つのカットが、このダイヤの輝きを最大限に引き出すように計算されてあるのだ

類は触ってみたくなった。


「触っていいですか?」

「ええ」