師匠はコスプレ☆メイ探偵



「現物を見せていただけますか?」


 言うと、中田はソファに沈み込んだ自分の体すら上手く浮かせられないで、四苦八苦していたが、やがて立ち上がると、応接室から出て行った。

 そのスキに、類はノートパソコンの下向きの矢印キーに触れた。

 さっきの文面のずっと下のほうに、続きの文章があった。


『警察に知らせれば、“神の雫”が盗品であったことがバレることを肝に命じておけ』


 類は師匠の顔を見た。

 師匠も、その文面を目で追って、類の方を見た。


「もしかしたら、安西さんのところの予告状にも、続きがあったのかもしれませんね。これと同じような」


 師匠は頷いた。


「なぜ、スターサファイアのときは予告状がなかったんだろうな」