「で?やめたのか?」 「やめました」 言って、類は車窓の景色に目をやった。 何かを見ているわけじゃなく、自分の内なるものを見つめていたのだ。 「今は楽しくしか飲んでません。しかも、久しぶりです」 師匠は理解できないようだ。 呆れたように、首を横に振った。 別に、分かってもらおうなんて思わない。 類は座席の後ろから近づいてくる物音に、振り返った。 「アイスクリーム、下さい」 ワゴンを押していた女性が、類に微笑んだ。