運良くチケットショップを見つけて、新幹線のチケットを入手して戻ったときには、待ち合わせの場所にすでに師匠がいた。

黒ずくめで椅子に座って、腕を組み、額に指を当てて固まっている。

類はコスプレは無視することにした。


「行きましょう、師匠」


 すると師匠が類を誰かに見立てて、名前を呼ぼうとした。

「やめてくださいよ。外国の古い探偵達と違って、真似してるのがバレたら、著作権料とか取られるかもですよ」


 師匠は一瞬黙った。
 
そして、ポーズを崩すと



「行こうか、類君」

普通に言って歩き出した。