本来、ミドリ先輩は、自分の頭の良さは棚に上げてしまって、他人をバカにするような言動は一切しない人なのだ。

けれど、さすがに湯佐の態度にはムカッ腹が立つらしい。

「湯佐にあるのは人をバカにする才能だけですね」

「本当。それ、当たってるかも」

 類とミドリは背中を向け合ったまま、こっそり笑った。