師匠はコスプレ☆メイ探偵

「最初に我々が来たとき、奥さんはいらっしゃらなかったんですか?」

 視線が、類に戻ってきた。

 なかなか分かりやすい人だ。

「ええ。でかけてましたわ。あなたがたに宝石を守るように依頼したことなんて、知りませんでした」

「なくなってから、初めて訳を聞いたのですね」

「ええ。予告状も見せられたわ。ちょうど、私が家に戻ってきたときでしたわ」

 ふううん。

「あの人が盗んだのよ。あの女と共謀して」

「モエギさんは、そんなに信用できない人なんですか?」

 言うと、奥さんはちょっと考えたようだった。

「そうですね。

あの人ならやりかねないけれど、モエギは信用できるわ。

いい子よ。

とてもいい子にめぐり合えたと喜んでいるわ」