師匠はコスプレ☆メイ探偵

「モエギさんて、いいお手伝いさんだね」

 言うと、モエギは相変わらず類をオトコと勘違いしたままらしきく、頬を赤く染めた。

「そうじゃないんです。

実は私、ここへ来る前に、お料理教室やソムリエ教室に通ってたんですね。

そのソムリエ教室の先生が、ちょっと変わってたんだと思います。

ヨーロッパにおけるワインの価値は、味ではなく希少価値だ。

広範囲で収穫されて採れるぶどうで作ったワインよりも、限定された地域でしか作れないもの。

その地域でしか出来ないものよりも、このシャトーでしか作れないもの。

そういったものに価値がある。

って教えられました。

それに、名のあるワインは、昔からあるワイン組合みたいなのにたまたま加盟しているだけで、高級品と呼ばれることになる。

品質どうこうは関係ないんだって、その先生は言ってました。

変わってるでしょう?」