そしてこの日の放課後…

 荷物の整理をしている恵理香に恵子が声をかけて来た。

「えーりかァ、久しぶりにあそこのスィーツショップへ一緒に行こうよォ」

「あー、ゴメーン! 今から病院に見舞いに行かなくちゃならないのォ!」

「エー? 誰か入院しちゃったのォ?」

「親戚の祖父さんなんだけどね」

「あー、あのウルサイ爺さんか? 別の日にすればァ?」

「ダーメ。今日、顔を見せいって言われてるしィ」
「そっかぁ。なら、仕方ないよね。別の日にしよう」

 そう言って、恵子は先に帰宅した。

 2年C組の教室に残っている生徒は恵理香1人だけになった。

「さーってと、私も帰ろうかな?」

 鼻歌混じりでカバンの中を整理する恵理香。

 教室を出ようとした時、背後にいた女の子と目が合った。

「!?」

 驚愕のあまり、その場に立ち尽くす恵理香。