そんな涼子はこの春に…

 交通事故で亡くなった。

 次の日の休日に、2人だけでコンサートを観に行く予定の前の日だった。

 お通夜はこの夜に…

 告別式は次の日に執り行われた。

 クラスのコたちは悲しみにくれた。

 皆、告別式に出席して涼子に別れを告げたのは言うまでもない。

 恵理香は凄く悲しんだ。

 でもそれは…

 表向き…。

 正直言うと、内心ホッとしているのだ。

 佳子、恵子、真奈美、理香、結菜、三枝たちも、恵理香の本心は分かっている。

 花が置かれた涼子の机を見ながら、恵子が恵理香に話しかけた。

 涼子は何もなかったような表情で、自分の席で教科書を読んでいる。

「涼子がいなくなっちゃったから、恵理香も清々したんじゃない?」

 顔を上げた恵理香。

「そーネェ。うざったい涼子の顔も、もう見なくてイイと思ったら…解放された気分!」と、うーんと大きく背伸びした。