「屋根に烏が止まって…縁起が悪いな。箒(ほうき)はどこだったかー」 「山田さん早く申込書を下さい。」 そんな長い箒は無いですよ。と、後もう一つ思ったことがあったが言葉にせず、住吉は山田を急かす。 「吉、師範と呼んでくれ。まだ正式に生徒になったわけではないが、すぐにそうなるんだから今のうちから呼んでもらってかまわないぞ。」 「…はい。」 山田さんてじいちゃんに似てるんだよな。 部屋にあがらせてもらうと、五畳程の畳の上にテーブルが置いてあり、そこには湯気の立つ湯呑みが一つある。