敬愛とまでは言い切ることはできないが、私はルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」を愛読していた。
中でも、チェシャ猫がお気に入りで、私も彼のように気ままに生きれたらいいのにと、子ども心ながら思っていた。
アリスは、児童文学の比較的初期に作られた話らしい。講演会でそんな旨の話を聞いた。
「アリスは執筆されて100年を過ぎました。しかし今日、児童文学界は未だ100年前のその作品を越えることができないのです」
年季の入ったスピーチが脳内でリピートされる。
私はその事についてベッドの上で考えてみる。

机上の空論ならぬ、寝床上の空論。