マナエネルギーが一般に普及しはじめたこの頃。

生まれた子供達は世界政策でマナの洗礼を受けなければならない。

別に義務ではないのだが、洗礼を受けなければ第三エネルギーであるマナを使用することができないのだ。

そんな世の中に変わってきた頃。俺も例外ではなくマナの洗礼を受けた。

そう、記録では残っている。

実際、洗礼を受けたのは1歳になったときなので俺の記憶は全くない。

洗礼を受けた子供達は義務教育である中学校までは普通の人と同じように学校に通う。

高校進学時、その進路は一つに絞られる。

そう、その進路とは「中央ルドリオーレ魔術学院」通称「ルドリオーレ学院」である。

そして入学者は再度マナの洗礼を受け、マナに祝福さなれがら入学をする。

のはずだった。


俺は家が遠かったたため、入学式にはちょっと遅れてしまい誰もいない洗礼樹の前にいた。

「貴方で最後よ。ご入学おめでとう。ヒリス君。」

そこに立って居るのはちんちくりんの小学生かってくらいの背丈の先生だった。

「私は保険医のナナ。気軽にナナ先生って呼んでね。」

一通りナナ先生から説明を受けて洗礼の準備を整えた。

俺は洗礼を受けはじめた。

洗礼は簡単で今まで活動をしていなかった体内のマナを活性化させてこれからの授業でマナを操作しやすいようにするのが目的だ。

俺は洗礼樹に手を当ててじっと目を閉じた。

目を閉じると体中に不思議な何かが駆け巡りさっきまでの旅疲れがどこかへ行ってしまった。

まるで体が軽くなったようだ。

「ヒリス君、背中・・・。」

ナナ先生の声で俺は目を開けて振り返った。

その瞳に映ったのはきれいな羽だった。

その羽の色は銀。