多分、俺の顔は引きつっていたはず。

 
 あぁ――だから言ったろ、思い出したくないって。



「あ、ごめんそろそろ帰るね」


 数分後、俺は父親に呼び出されたフリをして、その場から逃げるように立ち去った。

 
 ――西塚さんのアドレスと番号という、いらないお土産を持って。




「お帰り!!」

 俺は、出迎えてくれた日和を沢山抱きしめ、沢山キスをした。


 まるで、さきほどの出来事を浄化するかのように――