アナタだけのお姫様


「だからこれを機に兄離れすれば?」


「兄として見てないもん」


 ため息をつく侑也が、ちょっと嫌い。


 だって、侑也も単なる兄妹愛としか思ってないんでしょ?


「本気の愛だろうがなんだろうが……仕方ないんだよ」


「……」


「現在の日本の法律では結婚出来ないんだから」


「でも! ずっと一緒には居られるじゃん!!」



 頭を撫でる侑也の手が、ぴくっと止まった。



「そうやって日向を縛り付けるのはやめろ」


「――えっ?」